より道の多い人生

生き恥晒して生きていく

明日は何を歌っているの

1か月前とはまるで違う世界に生きている。
少なくとも私の眼にはそう見えているし、これを読んでいるあなたにもきっとそうなのだろう。

現状イン・ザ・オフィス

私が今所属する会社はようやく今週から隔日リモートワーク(午前は自宅作業をして電車がガラガラであろう午後の時間帯に出社する)を導入する程度で、日常的に大きな影響があるかと問われれば、まだそんなにないような感じがする。
兼ねてより弊社で実施されていたリモートワークは体調不良の際に上司に相談の上、適応されるものだった。非日常が日常に侵食してくることによる弊害や懸念はあれど、違和感や抵抗はまだない。というのも、ここ数日フルリモートワークを実践させてもらったけど、どうやら私は使用する機材のスペックに圧倒的モチベーションを左右されるタイプのようで、家で仕事すること事態はそんなに苦ではないみたいだ。あくまで今の私は、だけど。(子供がいたり、これが長期間続くのであればまた全然違ってくるんだろうな)

どこもそんなものなのか私には比べようがないけれど、一応ITベンチャー企業であるというのに、4月に入るまで対策や会社としての方針は示されておらず(公表されている感染者数などのデータに対しての見解は随時共有されていたものの)それに対して誰も物申す様子もなく、「ここは違う国か何かなのか?」と錯覚してしまうほどオフィスは人に溢れ、まるで平和そのもののようだった。

はたから見れば「能天気」とも言われてしまうかもしれない情景のなかで、冷静を装って粛々と仕事を進めているだけなのか、動揺を隠すあまりに無関心に見えているだけなのか、それとも私には全く見当もできない考えをもっているのか、同僚たちの胸の内に問いかけることは怖くてできなかった。

そういう私自身は会社と周囲のギャップに違和感を覚えながら、その感情をひた隠しにしては発狂する寸前でその不安や心情をSNSで吐露しては一旦沈着する…といった渦中の最中にいた。我ながら無様だとは思うけど、どういった状態が冷静であるといえるのかは、もはや誰にも断言できないという気だけはしていて、だからこそ、実際に発狂するわけにはいかなかったのでSNSという場所やそういうテクノロジーがこの世にあってよかったと思った。

 

混沌の中で

一通り足掻いたら足掻いただけどうにかこうにか立ち上がれるのもまた人間ならではの性質なのだろうか。
あれほど発狂しそうなほどに溜め込んでいた不安や恐れが少しクリアになってきて(開き直っただけとも言えるが)、やったこともないリスクマネジメントについて調べ出してからはあっという間だったように思う。

個人レベルだろうと会社全体の取り組みであろうと、とにかくやれることはやるべきだと思った。検温表の作成や正しい手洗いうがい方法の啓発、現時点で公表されている基本情報や感染者数などのデータベースいったリンク情報を一元化し、社内で積極的に声掛けを行った。兼ねてより汚れが気になっていたオフィスの水場と冷蔵庫の清掃を社内美化の一環として行い、運用ルールの再制定と整備もあわせて行った。

実際に提案して反対されたり小言を言われたりしなかったのはよかったと思う半面、「なにか手伝いましょうか」みたいな雰囲気にならないのは(むしろ私一人が勝手にやってるみたいな感じなので)なんだかやるせなくもある。

 

新しいページが光っても

こんな状況だからいつかの自分のために状況の記録を、と何度もこのはてなブログのログインを試みたけれどサブアカウントメインアカウントのパスワードがごっちゃになってて知りうるパターンを打っては返されてを繰り返す始末だった。

ようやくログインできたものの、なにから書いていいのか戸惑う自分がいた。それでも書こう書かなきゃ、と思ったのは次の転職先で内内のブログを始めたのでよかったら読んでほしいとの連絡をもらったから。企画のアイデア出し(というより種まきなのかもしれないけれど)を兼ねているというそのブログを読み進めていくうちに怖くなったのだ。

私は私のなかにどれほどの言葉を表現力を持ちうるのだろうか、と。

 

いきとし GO GO

一度ドロップアウトしてしまった職種に再び踏み込むことにしたのは、やっぱり「好き」という感情以上に自分を満たすものがないとわかったから。どこで何をしていても、刊行物の奥付に自分の名前が記載されていることがなによりも嬉しくて震える。

そして、自分勝手かもしれないが、どうしようもなく迷子で目も当てられなかったあの頃の自分をどうにかして掬い上げたいのだ。今の職場で感じるどんな気持ちよりも果たしたいことなんだろう。内定をもらって不思議と沸き上がったのは今の会社への感謝の気持ちだった。今のところ暫定でしかないけど、これは必要過程なより道なのかもしれない。

次の職場は一部の業務を除いて既にフルリモートを導入しているので、約1か月後どういう形態でスタートを切るかは私も、きっと先方もまだ分かっていないと思う。数日前に自主的に企画をかき出したりはしていたけれど、それに加えてささやかでいいから自分が感じたことをちゃんと振り返って紡ぐということをしていきたい。次の職場の代表は口を酸っぱくして言っていたっけ。
「考えているだけでは、ないものと一緒だよ」

これはまるで生存確認。そして、生き抜くための生存戦略でもある。

 

 


Kaho Nakamura SING US - Wasureppoi Tenshi / Sono Inochi [live ver]